がん予防にいちご
フラボノイドとフェノール酸
米国がん研究所の報告書には、野菜や果物を毎日5皿以上食べるだけで、胃、直腸、食道、肺、咽頭のがん罹患率が20%抑制できる有力な証拠が提示されています。また、乳がん、膀胱がん、すい臓がんの予防にも繋がるだろうと述べられています。
野菜や果物には、病気と戦う力を持つ化合物が含まれているのです。
この化合物は、従来の考えでは栄養素とみなされていませんが、身体に対してなんらかの有効な作用をもたらしてくれるようです。
植物に含まれる、この化合物を、植物性化学物質といいます。
植物性化学物質の中でも一般に知られて摂取されているのが、フラボノイドとフェノール酸です。
このふたつはフェノール類に含まれます。
フェノール類は、植物の代謝によって生成され、植物が生存し成長していくために欠かせない様々な機能を持っています。
フラボノイドとフェノール酸には抗酸化作用があります。
フラボノイドとフェノール酸は、ともにビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質と相乗的に作用するようです。
また、ビタミン類の節約効果もあると考えられています。
研究で、ブラックベリー、ブラックラズベリー、赤ラズベリーなど、12種類の果物を分析したところ、総抗酸化作用が最も高かったのは いちご でした。
いちごにはフェノール類の他、強力な抗酸化物質であるビタミンCも豊富です。
発がん性物質細胞を攻撃し、損傷させることにより、がんを誘発します。
抗酸化物質は、がんを誘発する代謝過程を阻害することにより、細胞を保護していると考えられています。
抗がん物質は、発がん性物質の形成を阻害し、がん発生の開始を阻止し、腫瘍の進展と増殖を抑制するのです。
いちごに含まれる最も重要な化合物は、アントシアニン、ケルセチン、ケンプフェロールの3種類のフラボノイドと、フェノール酸のひとつであるエラグ酸の4種類のフェノール類です。
いちごのエラグ酸でがん予防
いちごに含まれるフェノール類の51%はエラグ酸です。19種類の果物とナッツを調べた結果、エラグ酸を最も多く含んでいたのは赤ラズベリーで、次いでブラックベリー、いちごは3番目でした。
しかし、ラズベリーのエラグ酸は多くは種子に含まれます。
それに対し、いちごのエラグ酸はほとんどが果肉に含まれています。
そのため、いちごのエラグ酸は他の果物と比べ生体利用率が高いのです。
エラグ酸ががんの予防薬として作用する可能性を示す研究がいくつかあります。
エラグ酸は、動物実験で科学的に誘発された肺がん、食道がん、皮膚がん、肝臓がんの進展を阻害しました。
エラグ酸は、
その他のフェノール類
いちごに含まれるフラボノイドは全て強力な抗酸化物質で、がんを予防する効果があります。アントシアニンは、結腸がん細胞の増殖を抑制することがわかっています。
ケルセチンは、ヒトの前立腺がん細胞と、乳がん細胞の増殖を阻害します。
詳細な研究も進展していて、動物実験では、肺、舌、結腸、乳腺、口腔に科学的に誘発したがんを抑制するという結果が出ています。
ケルセチンは、エストロゲン結合部位との相互作用により、腫瘍の増殖を阻害したり、がん細胞の自然死を促進する抗がん作用があると考えられています。
いちごの力
生体外、および動物における実験で、いちごには、がん、心臓疾患、神経性疾患のリスクを抑制するポリフェノールが含まれていることがわかっています。その他、免疫系を強化したり、アルツハイマー病、関節炎、喘息、アレルギーなどの炎症性疾患の症状の緩和も期待されています。